口腔内や、のど、気管支、鼻腔などに溜まっている分泌物を外に出すときに用いられるのが吸引器です。

吸引器の使い方ですが、まずは、痰の絡んだ患者さんがいたら、仰臥位(仰向け)にして、枕をはずして、気道を広げるように準備をします。

次いで、感染予防のための手袋を着用してから、吸引チューブを、吸引器につなげて、吸引器の電源を入れます。吸引器の電源を入れてから、吸引チューブの根元を折り曲げて、吸引圧が13~20hpaの間に収まるように、吸引圧を調整します。

吸引圧が高すぎると、口腔内を傷つけてしまうことがあります。吸引チューブを折り曲げる事で、吸引が出来ない状態にし、その状態のまま、患者の口腔内や鼻腔内に吸引チューブを入れ、痰が絡んでいるであろうポイントに達したら、チューブの折れ曲がりを解消し、さっと痰を吸引します。

痰の吸引が完了したら、消毒したカット綿で拭いて消毒を行い、それから、チューブは水につけて、吸引の完了です。吸引をしている間は、患者さんは呼吸が出来ない状態となりますので、目安として一度に10秒以上の吸引は厳禁です。吸引をしたがために、呼吸状態が悪化して、急変する場合もしばしばあります。

また、嘔吐しやすいので、食事直後の患者さんにも、よほどの事がなければ吸引は控えます。痰の絡まりやすい人は、食事前に吸引をしておくのがよいでしょう。