ドレーンとは手術や消化器の病気をされている患者さんによくついてる身体から出ている細い管のことです。不要な排液を出したり、減圧目的で使用します。そしてドレーンには、色々なバックがあります。

脳のドレーン

まず、脳のドレーンです。非常に気を使います。脳の中に留置されているわけですので、脳圧が変わってしまうと非常に危険なためです。

脳室ドレーンの使用目的としては、髄液の通過や吸収の障害による頭蓋内圧亢進症状や脳室拡大、髄液の感染、髄液の多量の血液混入があるため、髄液短絡手術(シャント術)をただちに施行できないときに頭蓋内圧亢進の予防とコントロールをします。

簡単に言いますと、脳の中身は適切な圧で管理されています。しかし、腫瘍ができたり、出血がおきたり、どこかが詰まったりと、正常な脳の圧に変化が起きてくると脳が腫れます。腫れた脳は行き場がなくなります。するとどこかにはみ出るしかなくなります。それが脳ヘルニアといって大変重篤な結果を招いてしまうのです。行き場がない脳の減圧つまり、脳の腫れを引くように髄液の行き場をつくるのが脳室ドレーンというわけです。

少し変わったドレーン管理方法になっています。圧を設定できるのですが、外耳孔(耳の穴の入口)から何cmH2Oなのかをお医者さんに確認して、調整します。

測定方法としては、量りを使用し、g(グラム)で表していきます。測定の際は、バックの中の髄液を逆さにしたり、排液バックのフィルターがあるのですが、そこを濡らさないように注意しましょう。不潔なものを脳に逆流させてしまったら、一巻の終わりです。クランプ(栓)が必ず4つありますので、順番に排液クランプをしていきます。

看護師が注意することは体動や患者を動かす時、吸引する(痰がでてそれを看護師が陰圧をかけたチューブで取る時)はがいそう反射により刺激がかかって患者の髄液が過剰に出てしまう恐れがあるので、必ず、脳室ドレーンのクランプを実施してからにします。

また、チューブが屈曲していたり、圧迫や何かの下敷きになっていたら有効なドレナ-ジ(効果的に髄液を流出させること)ができなくなりますので、注意してください。また、脳は拍動しています。ドレーンの流出先がしっかり拍動しているかを観察します。もし、拍動がなければ患者は脳死状態、もしくは、ドレーンが抜けて違う場所に留置されているなどを疑った方が良いでしょう。

排液管理をしているときに異常に出ている時は設定圧が麻里がっている可能性がありますので、直ちにお医者さんに相談してください。

Jバック

次にJバックです。ポータブル低圧持続吸引システムのことを指します。SBバック(携帯型の低圧持続吸引器)のように持続的に排液をカウントするよりたくさんの排液が出るものに対して使用できます。しかし、排液は出さないとカウントできないため清潔操作で排液を扱いたいときには不向きです。排液が体内に貯留するのを予防するものです。

使用方法としては、排液の出口から排液を出し、カウントするだけのシンプルなものとなっています。再度使用する場合は、中にプラスチックの硬いもので覆われており、下の方に折り目が付いています。バックをぺったんこにしたまま排液の口を閉じ、陰圧をかけたら、その折り目を「パキッ」と音がするまでおります。すると陰圧がかかり、ドレナージ(排液が身体の中からでてくること)できます。

量や留置場所にもよりますが、お医者さんに何時間ごとにあけたらいいのか、もしくは開けずにバネ測りや軽量測りで測るのか確認した方が良いでしょう。整形外科などでは骨に入っていることもあるため感染のリスクの問題から、開封せずに重さで管理することもあります。

SBバック

SBバックはドレーンの1つであり、携帯型の低圧持続吸引器です。使用目的はドレーンと一緒ですが、吸引できることがポイントでしょう。色々なドレーンがある中、吸引をかけてかつ小型なところが利点ではないかと思います。

使用方法としては、風船ふくらませることで圧をかけます。ただし、風船の大きさは各科によって指定されており、主治医の先生に聞くことが基本です。風船をめいっぱい膨張させる科もあれば、マジックでこのくらいと書いている科もありますので。

吸引器は文字で説明するよりみてもらった方がいいかもしれません。風船の上にゴム球といって、風船を膨らませるものが付いています。その横にはドレーン排液が入るボトルがついています。もちろんこぼれないようにクランプ(封じる栓)がしてあります。

置き方ですが、ベッドサイド等に創部より低い位置に紐で吊り下げて下さい。吸引ボトル(風船を膨らましている側)に排液が行くと、どれだけ排液が出たかカウントできなくなってします。ミルキング(圧をかけるためにチューブに陰圧をかけること)も医師の指示に従ってください。